俺はあいつに支えられていた
あいつがいなくなった今
もう何も見えない
「なぁ、お願いだから戻ってこいよ」
そんな言葉を残した少年は
意味もなく空を見続ける
「愛してた。ホントだよ。
ずっと一緒にいたいと思っていた。」
そんな寝言いつまで続けるつもり?
過去形の愛なんて意味がないでしょ?
ほつれた黒い糸を
心臓に絡まらせて
あたしは自ら自分を縛る
これ以上
あなたを困らせないように
これ以上
あなたを好きにならないように
黒くなった心臓は
光なんか全く通さなかった
遠くまで歩いて行けると思ってました
だけど
道はこんなにも長くて
私は諦めて
近くにいるあなたの場所へと戻りました
赤い月を見たんだ
目がくらむような赤だったんだ
まるで、誰かが充血した目で
僕のことを睨んでいるような
もしかしたら
何かの予告だったのかな?
小さなビーズを
宝箱に入れた
割れた宝石箱の隙間から
薄汚れてすさんだ
イミテーションの宝石
その中で小さなビーズだけが
小さく光っていた
あなたはいつも遠くを見てる
あたしは
その視線の先にいる者を
憎むだけ
水面に映った月
それはとてもキレイで残酷で・・・
小石を投げたら消えました
暗闇の中
ぽっかりと浮かぶ
小さいガラスの箱
「あたしはここよ」
箱の中で泣き叫んでいる幼い少女
あたしはその光景眺めながら笑う
あたしの頬を伝う涙は
少女と同じ色をしていたのだから
ねぇ、約束とは言わないから
・・・・ずっと生きていて。
どうして届かないってわかってるのに
必死になって手を伸ばすの?
キレイな物。
キレイな言葉。
キレイなガラス球。
キレイな嘘。
そんなの並べてどうするの?
小さな空間見つめて
ちっぽけな世界に微笑む
嗚呼、あたしって小さいな
嗚呼、あなたって小さいね
影を隠しながらの空間は
青く澄んでいた